帝国の聖戦4
反撃編
国際自衛隊1942〜43
予告編
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1942年! 反撃の時は来た!

ハワイ空襲後、
帰途につく南雲艦隊を強襲するは
キンメル提督率いる米戦艦部隊。

ISDF太平洋平和強制艦隊は
総力をあげてこれを迎撃!
ミッドウェー海戦の開始である。

そして……
遂に来たれりバルチック艦隊!

ハルゼィ、グデーリアン、ラムケ…
かつて、敵として刃を交えた武将を巻き込み、
真の国家超越軍隊と化したISDFは
これに敢然と立ち向かう!

堀提督が定めた
トライアングル・バトルフィールドとは?

弐号艦の艤装は間に合うのか?

暴獣ジェルジンスキーの毒牙にかかるのは
いったい誰か?

そして、真珠湾に座礁した〈大和〉に
再び息吹が吹き込まれる!

「帝国の聖戦4:風雲編」
物語はいよいよクライマックスへ!

ISDF
I
nternational Self Defence Force

目次
プロローグ 新聞記者のいる風景
第一章   バトルレポート
第二章   降伏の儀式
第三章   前哨戦
第四章   日本海大海戦
第五章   アラスカ解放
エピローグ 復活の日


 戦士に敬意を払うことには吝かでないハルゼィだったが、自分より二〇歳は年下と思われる大佐の口から命令調で言われたとあっては面白くない。ハルゼィは話題をそらすかのように質問をぶつけた。
「……接岸しているあの大型空母の名は何かね?」
「その情報を自由にする権限は小官にはありません」
「ならばあの空母の母港は? ここではないのか」
「軍事機密につき、お答えできません」
「他の航空母艦の姿が見えぬが、連中はどこにいるのだ?」
「それも軍機です。布哇作戦の報告書が仕上がりしだい、提督の手元に届けさせます。それまでは何も申せません」
「……ヨコスカは規模のでかい軍港らしい。俺が〈エンタープライズ〉で体当たりをかましたバトルシップ〈ヤマト〉は、ここで建造されたのかな?」
「それもまた口外することはできません」
(第1章より)

 ようやくにして反撃の火蓋は切られた。
 ドイツならびにソ連戦艦は、自国海軍に空母戦力が乏しく、航空支援が得られにくい事実を良く自覚していた。そうであるが故に対航空兵装を重視していたのである。
 人形の頭部に酷似した三軸対空射撃用方位盤よりデータを受け取った一〇・五センチ連装高角砲が、徐々にではあるが射撃速度を上げていく。
 黒い円が幾つも青空に描かれていった。そのうちの一つが突然真っ赤に染められた。瞬時にして存在することを強制終了させられた敵機が、粉微塵になって墜ちていくのが見える。
 撃墜一を確認したホフマン大佐の身にも、興奮という感覚が漲ってきた。自分が戦士であることを再確認した一瞬だった。

(第3章より)

 堀大将は航海長のもっともな疑問に、独白をもって回答に代えた。
「来たか……。よし、これで勝った」
 その台詞が閉じられるや、敵艦隊にて活火山の爆発にも似た現象が発生した。零式観測機が即座に異変を知らせてくる。
「四番艦〈ソビエツキー・ソユーズ〉級に命中弾を確認。同艦は大破漂流中のもよう!」
 戸惑いに似た感情が〈飛騨〉艦橋に満ちていく。
「誰が撃ったんだ。〈陸奥〉か? 〈日向〉か?」
 早坂航海長の問いかけに答えたのは、砲術の専門家たる磯谷砲術長であった。
「いや、違うぞ。あの火柱の高さから見て、着弾したのは四一センチ砲じゃない。もっと巨大な艦載砲だ……」
 英国戦艦隊が昔日の力を失い、極東に艦隊を派遣する能力を喪失している現在、戦況に影響を与えうるフネとして考えられる存在は一つしかない。
 誰もがこの現実に気づき始めたときだった。彼らの想像に相乗りするかのように、堀提督は新たな命令を下したのである。
「艦長、面舵だ」

(第4章より)

書下ろし架空戦記
 帝国の聖戦4
国際自衛隊1942〜43

2003年4月28日発売予定。



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